公正証書とは、全国に約300カ所存在する公証役場(公証人役場)において、元裁判官や元検事などの法律の専門家である公証人が法律に従って作成する公文書です。
公証人が作成する公正証書の種類には様々なものがあり、その中で協議離婚に伴う合意内容に関する公正証書を「離婚給付等契約公正証書」といい、一般的には「離婚公正証書」と呼ばれます。
公正証書は「強制執行認諾条項」を付けるなど一定の要件を備えることで、お金に関する支払いの約束を守らなかったときは裁判を経ることなく、直ちに相手方の給料や財産を差し押さえることができるというのが大きな特徴です。
そのため、長期に及ぶ養育費などの支払いがある場合や慰謝料などを分割で支払う約束がある場合は、公正証書(正確にはその中の「執行証書」をいいます)を作成しておく方が将来へのメリットは大きくなります。
公正証書を作成するには公証人手数料などの費用や手間が多少かかりますが、離婚後の生活を守るためにも、養育費などの支払いを取り決めした際は公正証書を作成することをお勧めいたします。
なお、夫婦間で作成した離婚協議書などの私文書の場合では、相手方がお金に関する支払いの約束を守らなかったときは、裁判を起こして裁判所の判決を得てから強制執行をすることになります。