離婚の基礎知識(1)
最終更新日:2017/07/16
離婚の種類には、その手続きの過程によって協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚、和解離婚、認諾離婚などがありますが、離婚する夫婦の約9割が「協議離婚」だといわれています。
協議離婚とは夫婦間で離婚に合意し、離婚届を役所に提出するだけで離婚が成立する最も簡単な方法であり、費用も時間もかかりませんし、裁判所などが関与することもありません。
しかし、これらの事の裏を返せば、ご自身で離婚に関する知識を習得しなければならず、離婚前・離婚後のことについて慎重な準備が必要になることを意味します。特に離婚後の経済的な生活設計は大変重要な課題となります。
夫婦間で協議離婚することに合意したときは、離婚後のトラブル防止や経済的な生活設計のためにしっかりと離婚条件を話し合うことが必要です。取り決める内容としては、まず以下の6つの項目から始めるようにしましょう。
なお、話し合いをして離婚条件を取り決めるということは、離婚後のことについて夫婦間で「契約を締結する」ということですので、後日トラブルにならないように内容を詳細に決めることが重要になります。
親権者 | 未成年の子供がいる場合は父母のどちらが親権者になるのか |
養育費 | 離婚後の子供の生活費はどうするのか |
面会交流 | 親権者(監護権者)にならなかった親は子供にいつどのように会えるのか |
財産分与 | 婚姻期間中に夫婦が協力して得た財産はどのように分けるのか |
慰謝料 | 不倫などが原因で離婚する場合の償いはどうするのか |
年金分割 | 婚姻期間中の年金は分けるのか |
未成年の子供がいる場合は、離婚届にどちらが親権者になるのかを記入しなければ離婚届は受理されませんので、親権者の話し合いは必要になります。
それ以外の養育費や慰謝料、財産分与などについては特に取り決めをしなくても離婚する(離婚届を提出する)ことはもちろんできますし、離婚後であっても一定期間内であれば請求することも可能です。
しかし、一旦離婚が成立してしまうと相手はなかなか話し合いに応じてくれないことが多く、離婚に関する取り決めをすることが困難になることがありますので、余程の事情がない限り、離婚届の提出前にしっかりと取り決めるようにしましょう。