公正証書の基礎知識(4)

強制執行とは

 

最終更新日:2017/07/16 

強制執行とは、約束通りに慰謝料や養育費が支払われない場合に、債務名義を使って執行裁判所に申立てを行い、強制的に相手方の財産を差押え、支払いを実行させる制度です。差押えできるものには給料、預貯金、株式、不動産、自動車、その他の動産があります。

 

強制執行の申立てに必要なもの

強制執行の申立てにあたって必要とする書類の中で、もっとも大事な書類は以下の三つです。

 

  • 債務名義
  • 執行文
  • 送達証明

 

債務名義とは調停調書、審判書、判決書、執行証書などの債権の存在を明確にした公文書(簡単に言えば強制執行することを許可する文書)です。公正証書は債務名義になりますが、公証人の作成する公正証書がすべて債務名義としての効力があるわけではありません。

 

債務名義になるのは「執行証書」と呼ばれるものだけで、公証人の作成する公正証書のうち、以下の二つの要件を備えたものをいいます。なお、執行証書は「強制執行認諾約款付公正証書」などとも呼ばれます。

  1. 金銭の一定の額の支払いを目的とする債権について作成されたものであること
  2. 債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述(強制執行認諾約款)が記載されていること

給料はいくらまで差押えられるの?

養育費・婚姻費用の場合

基本給と諸手当(通勤手当を除く)から、給与所得税、住民税、社会保険料の差し引いた金額が、

  • 66万円を超える場合は33万円を差し引いた金額
  • 66万円を超えない場合は2分の1(最高33万円)まで

を差押えることができます。

 

財産分与・慰謝料の場合

基本給と諸手当(通勤手当を除く)から、給与所得税、住民税、社会保険料の差し引いた金額が、

  • 44万円を超える場合は33万円を差し引いた金額
  • 44万円を超えない場合は4分の1(最高11万円)まで

を差押えることができます。

 

毎回差押えが必要なの?

毎月払いの養育費の場合、支払われなかった期日の来た養育費だけではなく、まだ期日の来ない将来の養育費も一度の手続きで差押えることができます。ただし、これは給料などの継続的に支払われているものが対象となります。

 

なお、「まだ期日の来ない将来の養育費も一度の手続きで差押えることができる」という意味は、将来の分までまとめて一度に回収できるという意味ではありませんので注意してください。

 

財産分与や慰謝料を分割払いする場合は、「懈怠約款(期限の利益喪失約款など)」を付けるのが一般的です。もし、分割払いを怠れば、期限の利益を喪失させて全額について差押えることができます。

 


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